無常
松本 一哉

「氷の音」をテーマに9年の歳月をかけ録音制作した、サウンドアーティスト松本一哉の超大作サードアルバム『無常』。

2014年から2022年まで、制作に9年の歳月を費やした本作は、北海道や群馬県の凍結した湖や流氷などの音と共に一発録音した即興演奏による音源を収録したもの。
気温、湿度、風力、氷の厚さ、雪の有無、日差しなど大自然の予測不能な変化に向き合い続けた圧倒的スケールの作品。

CD版は2枚組となっており、disc1は氷上の音、disc2はハイドロフォンを用いた氷下の音との録音音源で、氷上でしか聴こえない音と、
氷上では聴こえない音、自然音の構図に作家が音を起こしたり起こさなかったりする、作為と無作為の境界線が無くなっていく内容です。

それは春になれば溶けてしまい、再び冬になるまで待ち、極寒の中でひたすら音を発したくなる環境が起こるまで待ち続けた、
「無常」の日々としか表せない境地にまで達した録音で、 自然が織りなす神秘をダイナミックかつ繊細に封じ込めた、まさに作家自身の魂の塊のような力作です。

CD版は、作家自身が録音風景を撮影した32ページのカラーブックレットと、録音風景動画のシークレットQRコード付き。
マスタリングは世界的に有名なサウンドアーティスト Taylor Deupree(12K)氏によるもの。

再生する
購入する